日本と韓国の間で繰り広げられた知られざる経済の歴史を、独自に入手した重要資料と証言で紐解きます。いま輸出管理の厳格化を巡って日本と韓国の対立が続いていますが、そもそも今回の日韓関係が悪化するきっかけとなったのがいわゆる元徴用工の問題です。
その➀・・国際条約違反の元徴用工問題
安倍総理は謝罪せよ!・・とソウルでの街頭。
徴用工とは日本の統治下にあった朝鮮半島や日本本土で企業の募集・徴用により働いていた、朝鮮半島出身労働者のことで推定70万人~80万人いるといわれていますが、もちろん日本人としての労使契約に基づいた日本人と同等の給与所得者でした。
ソウル中心部の駅前広場。ここに徴用工像が昨年建てられました。

去年、元徴用工の4人が日本企業に損害賠償を求めた裁判。
韓国の最高裁にあたる大法院は新日鉄住金に1人あたりおよそ1,000万円の支払いを命じました。
この元徴用工の問題で重要なカギを握っているのが過去に日本と韓国の間で結ばれた協定です。
1965年に国交を正常化する「日韓基本条約」とともに締結されたのが「日韓請求権協定」です。
日本政府から韓国政府に5億ドル(韓国々家予算の約2年分)、現在のお金で換算するとおよそ7,500億円が支払われました。そのうち個人への補償金を支払いについては、韓国政府の手で行うということが両政府の間で確認され明記されています。
そのため日本政府は韓国政府付に支払った5億ドルで「請求権に関する問題が完全かつ最終的に解決」したとして日本企業に賠償金の支払いを命じた去年の韓国大法院の判決を受け入れないという考えです。(韓国大法院が、国家間の国際条約を無視した判決を下した)
番組では韓国に支払った巨額なお金の行方を知ろうと重要な資料を入手しました。
請求權資金白書と書かれています。これは44年前に韓国政府が発行したもので、今回特別に入手しました。
中を見てみると朴正煕大統領の写真、そして5億ドルの使い道が詳細に書かれていて、現在の対立の原点を読み解くことができます。
日韓の問題を解決するはずだった5億ドルの行方、そして水面下で進んでいる新たな解決策について独自に取材しました。