陸軍徴用船「龍興丸」(2,692総トン、大阪商船)は、昭和19年1月14日、護衛艦1隻とともに、シンガポールを出港し、アンダマン島ポートブレアーに向かった。
之字運動を実施して航行中、翌日15日3時29分、北緯10度50分、東経93度00分(小アンダマン島東方約26マイル)の地点で、船尾第4番艪左舷側に、敵潜水艦の魚雷攻撃を受けた。
爆発と共に浸水はなはだしく、沈没は免れない状況となったため、直ちに総員退船、3時34分、同船は船尾より沈下、船体を直立させながら沈没した。戦死者計9名

雷撃により、火柱を上げる本船


大阪商船・・龍興丸

機密書類を守る「龍興丸」の吉田事務長。
書類を抱えたまま船体と共に沈んだ同事務長は、その後奇跡的に浮上し救助された。