陸軍徴用船「ぼるねお丸」キスカ島での最期・・
陸軍徴用船「ぼるねお丸」(5,864総トン)は、昭和17年9月27日小樽港で、兵員276名、兵器、弾薬、糧秣など2,100トンを積んで、単独キスカ島へ向け出港した。
宗谷海峡からベーリング海に出て、敵潜水艦に対し厳重な警戒を持って航行を続けていたが、10月5日午前10時25分、北緯53度40分、東経176度15分の地点で、第1回の敵機の爆撃を受けた。
この爆撃で第3、第4船倉に浸水を生じたが、極力排水に務め、翌日6日午前4時50分、キスカ港に入港、続いて同日午後1時55分七タ港に回航して、徹夜で兵器、弾薬、油類の揚陸を完了した。
しかし翌日7日午前10時、第2回目の敵機の来襲を受け、船体の損傷はなはだしく、大発2隻に曳航させて、港湾近くに擱座させた。
その後も連日の様に、敵機の来襲が続く中を揚陸作業を続けていたが、10月16日午前4時45分、敵機が投下した魚雷の爆発により、船内に爆発が発生、更に対空砲火によって撃墜されたB-26が4番ハッチ上に落下し、ガソリン放出で瞬時に火炎に包まれ、船体放棄のやむなきに至った。

空爆により炎上する「ぼるねお丸」
昭和17年10月16日、アリューシャン列島キスカ島、七夕港にて空爆により炎上。
昭和17年10月16日、アリューシャン列島キスカ島、七夕港にて空爆により炎上。

大阪商船 ぼるねお丸

