太平洋戦争の残影 ⑤神風特攻隊・・2

自らもイギリス軍の従軍記者として、空母フォーミダブルで取材中に特攻で負傷した経験を持つデニス・ウォーナー氏は「航空特攻作戦は、連合軍の間に誇張する必要もない程の心理的衝撃を与え、またアメリカ太平洋艦隊に膨大な損害を与えた。アメリカ以外の国だったら、このような損害に耐えて、攻勢的な海軍作戦を戦い続ける事はできなかったであろう」「そして、日本軍の特攻機だけが、このような打撃を敵(アメリカ海軍)に与える事が可能であったことだろう」と結論付けている。
 
【連合軍の人的損失】
特攻の効果で、連合軍を苦しめたものの一つが、大きな人的損失であった。
連合軍の人的損失については、アメリカ軍の公式記録等を調査した結果では特攻によるアメリカ軍の戦死者6,805名、負傷者9,923名合計16,728と集計している。
他にイギリス軍、オーストラリア軍、オランダ軍でも数百名の死傷者が出ている。
連合軍全体では、戦死者12,260名 負傷者33,769に達したという推計もある。
 
アメリカ海軍の太平洋戦域での戦闘における死傷者のアメリカ軍公式統計は、特攻が開始された1944年以降に激増し、1944年から19458月の終戦までで45,808名に上り、太平洋戦争でのアメリカ海軍の死傷者合計71,685名の63.9%にも達したが(1945年の8か月だけでも26,803名で37.4%)、1944年以降のアメリカ軍艦船の戦闘による撃沈、損傷等は約80%以上が特攻による損失であり、特攻がアメリカ海軍の死傷者を激増させた大きな要因となった事が窺える。

また海軍以外でも、輸送艦などに乗艦していた、陸軍、海兵隊の兵士や輸送艦の船員なども多数死傷している。

以下、米空母「バンカー・ヒル」、英空母「フォーミダブル」、米戦艦「メリーランド」、米空母「ビスマーク・シー」の特攻被害状況。


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米空母バンカー・ヒルに、小川少尉突入の30分後、更に1機の特攻機が低空でバンカー・ヒルに突入を図った

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          炎上する空母バンカー・ヒル.

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    1945年5月11日 沖縄近海 炎上中の米空母バンカーヒル。


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        更に黒煙を噴き上げる米空母バンカーヒル

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安則盛三中尉機と小川清少尉機が、30秒の間に突入し炎上する空母バンカー・ヒル.

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        側方から見た炎上中のバンカー・ヒル.

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       幽霊のような姿で、自力航行中のバンカー・ヒル


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        バンカー・ヒルに残された特攻機のエンジン。

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       燃焼機体の残骸が重なり合う、バンカーヒル甲板。


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          バンカー・ヒル乗組員の遺体
特攻攻撃は無謀な作戦として太平洋戦争末期には、米軍内で戦果はほとんど無い様に言われていたが、これは米軍として認められない負け惜しみだった・・・戦後新たに公表された米軍の被害は予想以上のものであった・・・。

米軍は「馬鹿な自殺行為をしやがって・・」
(アメリカ的考え方)とは言いながらも、その成果の偉大さに海兵は狂人と化し、その戦意喪失に辟易して悩み続けていたのです。 

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空母「バンカー・ヒル」第2乗員待機室向かいの通路で
火焔に包まれ命を落とした乗組員の遺体。


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         破壊されたバンカー・ヒル艦中央部

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     米艦隊空母「バンカーヒル」の艦橋。飛行甲板の損傷.


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         破壊されたバンカー・ヒル艦中央部分

特攻ー空母バンカーヒルと二人のカミカゼ・・↓https://www.youtube.com/watch?v=hsswwdg1ptE




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     出撃前、快心の笑みで写真におさまる第53振武隊員達。



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昭和20年5月4日、神風特別攻撃隊爆装のゼロ戦が英空母フォーミダブル (HMS Formidable)に突入

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    神風特別攻撃隊爆装のゼロ戦が英空母フォーミダブル に突入.

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       英空母フォーミダブル (HMS Formidable)

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 再び黒瀬順斎中尉(22歳)とみられる特攻機が命中,英空母フォーミダブル.


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     5月4日11:30、特攻機が英空母フォーミダブル突入.


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神風特別攻撃隊爆装のゼロ戦が英空母フォーミダブル (HMS Formidable)に突入後の消化作業。

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     米護衛空母ホワイト・プレーンズに突入寸前の特攻機.


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昭和20年4月7日夜、米戦艦メリーランド(USS Maryland)へ「第3御楯隊」か252部隊が突入の瞬間。

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第2御楯隊」の特攻隊機の命中により大爆発を起こし、沈没した米護衛空母ビスマーク・シー.

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米護衛空母ビスマーク・シー(USS Bismarck Sea)は、2月16日
特攻隊機の命中により大爆発を起こした

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1944年12月15日、LST472号に特攻機が命中し火災が発生、特攻機により発生する火災はアメリカ海軍の大きな脅威となった。


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鹿屋基地、第10航空艦隊司令長官前田稔中将臨席で、神風特別攻撃隊昭和隊命名.

世界が語る神風特攻隊・・・↓  https://www.youtube.com/watch?v=EHZYOPI89SY







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