● 排水路の不備が災害を拡大した・・広島市安佐南の水害
昨年(2014)8月20日、広島市安佐南区の豪雨による鉄砲水で、全半壊155戸、死者74名の大水害が発生しましたが、その状況は土石流による岩石、流木、土石流等による惨憺たる被害となりました。
8月20日03時25分頃の降雨データ
被害状況をニュース画面で見るにつけ「放水路はどの程度の土砂・流木で目詰まりしてしまったのか?」と注視して見たが、流木と土石の中で画面では判別できない。
・ 放水路は一体、何処にどれ程のものがあったのか?
・ 放水路は土石で埋まってしまったのか?
・ 放水路は倒壊家屋で埋まったのか?
土石、流木が混在して水路の場所もその規模も、ニュース画面から想定することすら出来ませんでした。
・ 放水路は倒壊家屋で埋まったのか?
土石、流木が混在して水路の場所もその規模も、ニュース画面から想定することすら出来ませんでした。
ところが3ケ月後、土砂や残骸整理も進行して11月21日の読売新聞に、ほぼ整地された八木地区の次の写真が掲載されました。
この写真には八木地区の無いに等しい「放水路」と「侵入道路」が明確に写っております。
それは「針金のように湾曲した、細い細い排水路」でした。
いや、放水路と言うより「幅1mの排水溝」、ごまかしの放水路でした・・・それは当初から放水路の整備不良だったのは、歴然とした事実だったと確証された写真でした。
広島市関係者にとっては「気にはなっていたが、起きるべくして起きた事故」とはっきり言える事実です。
先ずはその写真を見てみましょう。

後片付け、ほぼ完了・・だが

・● 水路を水色で明示して見易くしてみましたら・・・
・ 放水路の幅は1m強と判断されます。 排水溝の部類ですね。
・ この程度の排水設備しか準備されていなかったのです。
・ これでは一寸した夕立ちだけで、排水溝は溢れていたことでしょう。
・ ましてや、集中豪雨の場合、この排水溝で処理不能だとは素人判断でも歴然です。
この程度の排水溝で雨水対策とは、広島市は笑われて当然でしょう。
【問題点】
● 宅地開発優先により、排水路は限界にまで圧縮された傾向がある。
● 広島市土木局の指導のないまま放置し、宅地業者主導で住宅開発された気配がある。
● 広島市は、これほどの山容と谷沢であれば、少なくとも道路と同様に川幅5mで直線的な放水路が必要だと、開発時に準備させるべきだ・・と判断するのが常識のはずなのです。
(「神戸市なども、山麓周辺にかけて住宅開発がなされ注意が喚起される」等と、この時報道がなされていたが、神戸は沢や谷間ごとに幅5m以上の排水路や河川はほぼ完備されているし、市政の当然のことだ)
(「神戸市なども、山麓周辺にかけて住宅開発がなされ注意が喚起される」等と、この時報道がなされていたが、神戸は沢や谷間ごとに幅5m以上の排水路や河川はほぼ完備されているし、市政の当然のことだ)
● 幅1m強の排水溝では、台風接近時や雨脚の強い夕立ちなどが有った場合、排水溝で処理しきれない水が常時溢れていた筈だと、素人にも想像できます。それらを見た住民等から広島市へ「河川改修の声」が出ていたと思われますが如何だったのでしょうか?
● 恐らく、遅かれ早かれ平地まで川幅5mの排水路を設置しなければ、沢の出水を処理しきれない事に成るでしょうが、無かったところに造るのですから、移転立退き問題は必ず発生することでしょう。(都市計画、河川改修の見直しをしないと、この様な災害の再発は、先ず必至であることは明確です。)
● 広島市はこの地域の各々の谷沢に「砂防ダム」を数年かけて設置する予定としていますが、「砂防ダム」の役目は「土砂の流失防止」のみで、1~2年でダムの土砂満杯は必至!
豪雨の排水処理には、ダムは全く役に立たず「排水用河川」の必要に追い込まれるのは、灯を見るより明らかですね。
広島市は、もっともっと知恵を絞り出せよ!
豪雨の排水処理には、ダムは全く役に立たず「排水用河川」の必要に追い込まれるのは、灯を見るより明らかですね。
広島市は、もっともっと知恵を絞り出せよ!

・ ↑ 災害前でも、排水路(河川)らしきものが確認できない。
県営住宅は「危険個所」を避けて建設されている。
(県住宅公社は、鉄砲水のリスクを把握していたと見えますね)
(把握していて、公表や広島市に注意喚起しないのは、公的機関としてどうかしていると思います)



・ 放水路らしきものがなく雑然と家屋が建っている。
・ 宅地開発時に、放水路設置の義務付けが無かったのか?
宅地の購入者も、沢の規模と放水路の不備に早く気付くべきでした。
・ 今後、放水路を整備するため、立退きが必要ですね。
↓ 神戸・六甲山に新設された透過式砂防ダム。

(広島市安佐南地区の、今後の砂防ダムにも参考になるでしょう)





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